2001/03/01 早春の中津川


今日は渓流釣りの解禁日。外を見ると予報通りの雨だ。現地の様子はどうだろう。泥流になっていて釣りにならないかも知れない。迷ったあげくに家を飛び出したのは5時半過ぎだった。

7時前に金沢キャンプ場上のポイントに到着。水の色は澄んでいて水量も申し分無い。雨具を着れば支障なく釣りができるだろう。しかし解禁日なので河原はとても込み合っている。先客が何人もポイントに入っていてロッドを振る隙間もないくらいだ。

釣れそうな淵を見つけても、すでにそこは他のアングラーが入った後であり、魚は簡単にルアーを追っては来ない。それどころか魚がいない可能性の方が大きい。2時間歩きまわったが小魚一匹姿を現さないのだ。ミノーのチェンジなどしていると、すぐとなりに別の釣り師が現れ、涼しい顔をして釣り始める。今日は特別な日だから仕方がない。自分もその中の一人なのだから。
 
24センチのヤマメでした

その後とても残念な思いをした。私は普段から自作のミノーしか使わないのだが、タックルボックスの中に、管理釣り場で使用したことのある古い毛鉤とスプーンがあったのを思い出し、トレーラーを試みたのである。つまりスプーンのフックを外し、ラインを50センチほど結び付け、その先に毛鉤を付ける。食い渋った渓流魚に有効な手段だ。これを反則として禁止している管理釣り場もある。

さっそく目の前の淵にその反則わざを放り込んでみた。すると型のいいヤマメがチェイスしてくるじゃないか!水の透明度が高いので、その様子がよく見える。「食え!食え!」心の中でそう叫ぶ。スプーンが川底に接しないように気を配りつつスローで巻いてくる。やがてヤマメが毛鉤に追いついた。「やった!」。しかしその後唖然とする。山の女王はなんと毛鉤を追いぬいたのである。彼女のお目当ては毛鉤ではなく、その前を行くスプーンだったのだ。ヤマメはむなしくスプーンにかぶりつく。もはやフックの外されたスプーンはただの鉄片でしかない。スプーンにかじりつくヤマメを見ながらもリトリーブを止めるわけにもいかず、私はただリールを巻く以外に術はなかった。浮気をせずに素直にミノーを投げていれば必ず釣れたはずだった。

takiミノー ゴールド途中ルアーマンに会う。やはり魚の姿は見ていないらしい。しかし餌釣り師の魚籠の中には5匹ほどの尺物があばれている。向こう岸では数人の釣り師がバケツの中の魚をメンバー同士で分けあっている。漁協の人に話しを聞くと中津川ではここが一番放流量の多い場所だと言う。「何時に来たの?」と聞かれ、7時と答えると「それじゃ遅いな、全部釣られちゃったよ」と言う。そんなはずはないだろうに・・・。

お昼頃やっと一尾釣れた。そこは川幅3メートルほどの小さな流れで、使用したルアーは「takiミノー」だった。今年初めて、いや今世紀初めての魚振は何とも言いがたい感動がある。さっそく記念撮影とカメラを取り出して構えた瞬間うろたえた。なんと電池切れでシャッターが切れない。帰宅後にとった写真は黒っぽくなってしまったが、実際は鮮やかなピンク色のとてもきれいなヤマメだった。

釣り方のポイントはミノーの泳ぎにあると思う。勝負は障害物ぎりぎりにキャストしてから、その直後のミノーの泳ぎにある。つまり立ち上がりが不自然だと、例えその数秒後にすばらしいスイムをしても魚はミノーを追わない。また追いかけて来たとしても食いつかないだろう。