2001/04/12 中津川上流の渓魚たち


このところノーフィッシュである。1日釣行して1尾掛けるかどうかという状態が続いている。魚がいないのか、食わないだけなのか、それは誰にもわからない。しかし、不意のウェーディングにも逃げる魚が見当たらないところを見ると、ほとんど釣りきられてしまったのであろう。

  丹沢の渓流は都心から近いこともあって釣り人も多く、魚の数は少ない。「釣れる秘訣」があるとすれば、それは瀬から淵までしらみつぶしに釣り歩くこと、そして数多くキャストすることではないだろうか。 そこで今回は移動の手段に車を使うのをやめて、自転車でアクセスすることにした。この方法で下流からのポイントを丁寧に探るつもりだ。  

本厚木駅前から神奈川中央交通のバスで宮が瀬に向かう。「宮が瀬小学校中学校前」で降りると目の前に県道70号線との分岐がある。そこをヤビツ峠方面に左折すると、左側に見えてくる渓流が中津川上流である。


唐沢出会から入渓する。予報は雨だが、今のところ薄日が差している。唐沢キャンプ場下の流れは深く、大物が潜む場所だけに気が抜けない。思い切りダウンストリームにキャストしてから、ミノーの動きを感じつつ、ゆっくりとリトリーブする。過去にはロッドが大きく曲がったこともあったが、今回はなんの反応もなかった。  

この時期の渓流魚は、浅瀬に出ていることも多いので、ポイントを絞ることは難しい。川を渡る時もワンキャストして、魚がいないことを確認してからウェーディングしないと後悔することとなる。瀬に出ている魚ほどミノーをよく追うのでなおさらである。  


唐沢の橋の上から見ると右側に大きな岩がある。対岸からその岩めがけてキャストすると、すぐにガツンときた。20センチ前後の元気なヤマメであったが、残念ながらフッキングしない。同じ場所に数回キャストしたが、以後顔を出すことはなかった。私の経験からすると渓流ミノーイングの場合、ポイントへのアプローチはワンチャンスしかない。一度取り逃がしたり、ミスキャストした場合、しばらくそのポイントは釣れないと判断し、別の場所へ移動する方が得策である。  


その後も瀬や淵にこだわらずに3歩移動してはキャストして、ラインを巻き終えたらまた3歩移動する。そのゲリラ作戦が功を奏したのか、大岩から10メートル程先の瀬で魚がミノーを追ってきた。そのままリトリーブしていても食いつかないので一旦ストップさせ、ロッドを小刻みに震わせる。のた打ち回っているかのような、不規則な動きのミノーに向かって魚が襲ってきた。ブルブルとロッドが震える。久しぶりのこの感触がうれしい。あがってきたのは20センチ弱の元気なイワナであった。  

さらに上流で良型のヤマメ一尾を釣り上げる。先行者のいない平日釣行ということもあり、魚の活性はなかなか良いようだ。もう少し先に行くと滝がある。その少し手前の浅瀬にミノーを投げると突然、水中が銀色に輝いた。ギラリとしたその光を見たとき、すぐに「でかい」とわかった。次の瞬間ロッドが大きく絞り込まれ、銀色の物体は左右に逃げ回る。静かに足元に引き寄せると26センチのイワナであった。久しぶりに見た魚体は殊の外大きく感じられ、スケールを当てるまでは尺イワナかと思うほどであった。