2001/5/28 布川の大イワナ

最近、相模川水系でコンスタントな釣果をあげている。ポイントには魚が入っているし、ウェーディングすると逃げていく影や、瀬を泳ぐ「見えマス」も確認することができる。しかし、釣り人の多い水系であるために魚の警戒心はかなり強く、簡単に釣らせてはくれない。淵の底岩にぴったりと身を寄せていて、ミノーを追う距離も短く、「恐々食いつく」といった様子がうかがえる。「がむしゃらに追い回し、かぶりつく」という印象はない。

彼らの狭い捕食範囲内での勝負には「立ち上がりの良いミノー」が要求される。それをストラクチャーぎりぎりにキャストする。手前に落としていたのでは釣れない。ミノーが岩に接触して傷がつくこともあるが、それは仕方がない。渓流魚にがっちりと噛りつかせ、「名誉の負傷」とよんであげようじゃないか。


さて、今回の釣行は久しぶりの布川である。数日前から雨が降っていたために水量は多く、いたるところで白波が立っている。一見すると流れが強すぎてポイント探しに苦労するが、かえって的は絞りやすい。魚は流れの緩やかな場所に集まっている可能性が多い。こちらから見えないということは魚からも我々が見えず、警戒心は若干やわらぐと推測できる。白泡の途切れる岩影をトレースすると元気なヤマメが飛び出した。

唐沢林道分岐点下の広い川原に出ると流れは緩やかになっていた。しかし変化に乏しく、そのほとんどはチャラ瀬である。対岸に水流が変化しているポイントがあり、1メートル四方ほど流れが緩やかになっている場所がある。おそらく窪みができているのだろうが、うっかりすると気がつかない。キャストするとすぐに反応があり20センチのイワナが釣れた。手に取ると「ギュッ」と鳴いた。


他ににポイントらしき場所がないので再度キャストをしてみる。なんと着水と同時にガツンという強いアタリ!久しぶりにドラグが鳴った。いつも20センチクラスを相手にしているので、こんな感覚は久しぶりだった。相手は走らずに窪みの中に止まっているのだが、なかなか出てこない。リールを巻いてもぐんぐん引いてくる。そのまま川に入り、自ら窪みに近づいて行った。窪みの表層に白い腹が見えたので、リールを巻かずにそのまま後へ下がった。

やっとの思いで浅瀬に寄せるとTaki-minnowを丸のみにした大きなイワナであった。あとから窪みを覗いてびっくりした。足首ほどの浅い流れの中で、その部分だけが異常に深いのである。あのイワナの夫婦にとってこの穴は快適な住居だったに違いない。ちなみに釣り上げた時は絶対に尺物と信じて疑わなかったが、測ってみると29センチ丁度。う−ん惜しかった。