2001/09/03 やっと釣れた早戸川の小ヤマメ


早戸川はとても雰囲気のいい川だ。いくつもの深い淵、川原に咲く花、力強い水の落ち込みにはマイナスイオンが大量に発生している。8月のこの川で大勢の人が水遊びをしているのを見ると、ルアーを投げる気にはなれなかった。そしてシーズンが終わり、久しぶりに訪れた川原は汚れていた。キャンパーに置き去りにされたタープや鉄板、ガードレールに立掛けられたままの竹竿、「不法投棄パトロール実施中」のノボリの下にはゴミの山ができている。ブレークしたラインが川原の風にたなびいている。それをたぐりよせて水中を探ると真新しいスプーンが出てきた。ここで出会った人たちは常識外れには見えなかったし、誰かがゴミを捨てているシーンも見たことがない。非常識な行動をとるのは一部の人だろうが、1ヶ月の間にこれだけ汚されてしまうとは驚きである。

川原の砂地には人の足跡がたくさん残っている。週末には大勢の釣り人たちが訪れ、魚はスレきっているに違いない。早朝からグリグリとリールを巻き続けているがピクリとも来ない。淵だけではなく瀬に沈んでいる岩のひとつひとつもくまなく探る。

中央の岩陰からヤマメが飛び出してきた

午後からは雨の予報なので、できれば朝のうちに良型のヤマメを釣り上げたい。誰もいない単調な川原を一歩ずつキャストしながら進む。瀬の中央に大きな沈み岩があり、少し下流にタルミができている。流れが緩やかに変化する瀬のタルミには魚がつきやすい。少し派手目にミノーを躍らせながらトレースすると、銀色の影がサッと出た。ロッドにコツンという当たりを感じたが、その後は何の抵抗感もないまま足元に返ってきてしまった。

一度掛け損なった魚が再度アタックしてくる可能性は少ない。わずかな可能性を期待して再度キャスト、同じラインをトレースしてみた。ゴンゴンゴンとロッドが引かれ、水しぶきが立った。そっと岸に引き寄せたつもりなのにバタバタとものすごい暴れようである。小さいながらも奇麗なヤマメ。それでも危うくボーズだと思っていた私には救われる貴重な一尾であった。

その後同じ型のヤマメをもう1尾釣り上げたが、それきり魚の姿を見ることは無かった。昼近くに雨が降り出してきたので山を降りることにする。今日の釣果はリリースサイズが2尾と淋しい結果だったが、早戸川では珍しいことではない。今回釣れた魚はかなりオーバーなアクションで誘ったものだ。ロッドが折れんばかりに振りつつリトリーブした。スタンダードなアクションにそっと食いついてくることもあれば、ド派手な動きに狂ったように飛びかかってくることもある。いずれにしてもその日のパターンを早く掴んでしまうことが釣果を伸ばすコツ。「ロッドを振っているだけで幸せだ」と言うアングラーもいるが、「ボーズだけはまぬがれたい」少なくとも私はこれが本音である。