2002/06/01 早戸川のイワナ


今日はアユ釣りの解禁日だ。この時期から一部の山釣り師がアユに転向する。やがて渓流には釣りをする人の姿が減少し、それに変わってバーベキュー人口が増加する。今はちょうどその谷間。ゆっくりと釣りが楽しめる快適な時期である。

私はルアーの色など、どうでもよいと思っている。Taki-minnowは全部で5色あるが、その日の気分によってランダムに選んでいる。しかし同じ川に何年も通い続けていると、脳の中にデータベースが構築される。「早戸川ではグリーン系がよいのではないか」そんな気がしてきた。「グリーンと合う色」というべきかも知れない。つまりイエローやオレンヂがそれに当たる。彼らが判別しているのは色そのものなのか、光の反射率なのか、人間にはわからない。ただ、水の色がやや緑色であることを考えると、彼らは「自然に馴染む色」「違和感のない色」を好むのかも知れない。

三日月橋上流の堰堤から入渓、ここはイワナの領域だ。午前10時の日差しが渓流に照りつける。彼らは日陰に身を潜めているに違いない。その上渇水気味ともなれば、おのずとポイントは絞られる。日の陰った深場を選んで探りを入れる。20センチ弱の小イワナが2尾、ミノーにじゃれ付いて来た。一方大きなプールでは尺を超えるであろう大物がちょっかいを出してくる。しかし、いずれもフッキングしない。ロッドを大きく振って派手目にアピールしてみると、恐る恐る食いついてくる。ただ、すぐに外れてしまう。相手がスレている場合、サイドストリームでは難しい。キャストしてから、回収するまでの時間が短すぎる。どうやら派手な動きのまま長時間誘いつづける必要があるようだ。

上流側に回って下流へキャスト、逆引きでミノーを泳がせる。全神経をロッドの先に集中し、たっぷりと時間をかけて巻いてくる。突然ジーッとドラグが鳴った。流れに反しているので、水の抵抗が強く、ハンドルを巻いている最中も時折ドラグの音がする。足元に引き寄せると22センチの元気なイワナ。食い気のある魚は腹から食ってくるのですぐわかる。こいつはテールフックに掛かっていた。

その後もダウンストリームを何度も試みたが、リアクションバイトは少なかった。彼らは充分にミノーを観察し、浅瀬が近くなったギリギリの場所で食ってくることが多い。早戸川へ釣行する際にはミノーの色は緑、アクションは派手目、しかも水中で長時間アピールし続ける努力をすると報われるかも知れない。いずれにしても難しい川だ。