2004/03/01 解禁、雪中、中津川ヤマメ釣行

朝7時に中津川の河原に立つ。時折弱い風が吹くと肌寒い。手をつけていられないほど水は冷たく、その量は少ない。釣り人は僕の他に4人ほど、まるで閑散としている。数年前の解禁日はお祭り騒ぎであったのに・・。おそらく放流が行われなかったのだろう。放流がある日は、関係者やその伝のある連中がわんさか訪れて大量に釣り去ってしまう。当時、僕が訪れたときには、1斗缶に入れられた渓流魚を数人の釣り師で山分けにしていた。監視員に「7時に来た」と言うと「ははは、それじゃ遅せーよ」と一笑されたものである。



青藤橋まで釣り上がる途中、釣り人を追い越した。「おはようございます。。」と声をかけるが返事はない。おそらく釣れていないのだろう。誰でも朝一番に川面を見つめたときは夢が大きく膨らみ、キャストする度にしぼんでゆく。そのまま放心状態が続くと最後まで釣れない。渓流は一歩場所を移動するだけでシチュエーションはガラリと変わる。その都度、どこにキャストしてどう引いてくるかを組み立てなければならず、頭の中がいつも忙しい趣味なのである。




青藤橋を過ぎると大岩がある。その前の流れは深く、見るからに大物が潜んでいそうな場所である。真上から深い底に向かってtaki-minnow を垂直に落としてゆく。着底を確認してからスッとロッドを煽ってみた。すると大きな影が食いついた。しかし乗らない。ゴツッという鈍い感触だけをロッドに伝え、影は逃げていった。シングルフックに替えてからこの様なミスを繰り返している。根掛りが少なく、魚を逃がしにくく、その上魚体にやさしいというシングルフック。しばらく使ってみるつもりだが、以前使っていた極細ダブルフックの方が機能的に上のような気がしてきている。

激しく雪が降る中津の河原


布川方面へ釣り下る。日釣り券が落ちていた。見ると今日の日付で現場買い1,500円也。そんなにお金を払っても一度も魚を見ない日がある。ここはそういう川なのだ。かわいそうにヤケになって地面にたたき捨てたのかも知れない。雨はやがて激しい雪に変わった。しんしんと降る雪の中を何度もキャストしているうちにカーディナルのスプールバネが折れてしまった。修理するためにリールを見て愕然とした。本体カバーも紛失してしまっている。気が付かなかった。。



降りしきる雪の中、ターミネーターのようになってしまったリールを根気よく巻き続けた。木陰の溜りにそっとキャスト。やさしくアクションを与えながら静かに巻いてくる。プルプルプル。ロッドの先が小刻みに震えた。ヤマメだ!思い切り引っこ抜くと、魚は宙を舞った。次の瞬間、手前の枝にラインが絡まりヤマメが宙吊りになってしまっている。ヤツはフックを外そうと激しく暴れている。早く行かなきゃ!左手にランディングネットを持ち、川の中を全力疾走した。上からは雪、下からは川の水しぶきが飛ぶ。現場に到着したのはいいが、眼鏡が濡れて方向が定まらない。「逃げてしまうぅ!」

ネットに収まったヤマメは小ぶりであった。でも今年の初物。今夜はこれを肴に地酒に酔いたいと思う。
左が釣れたポイント、中央が問題の枝