2004/05/06  唐沢川の宝石のようなヤマメ


「魚が釣れなくても、キャスティングだけできれば満足だ」そんなこと今までほとんど思ったことがない。ただ、唐沢川だけは違う。ここは山深く、やさしい森に囲まれた沢である。水はクリアで量はそれほど多くない。ほとんど足首程度の瀬が中心で淵があっても深くない。ゴールデンウィークも終わり、観光客の姿も消えた今、川の様子を見に行ってみた。


中津の合流点から入渓。キャンプ場前から滝までは大岩が点在しており、その下にはヤマメが隠れていそうな気配を感じる。岩の周辺をなめるようにミノーを通すが反応はまったくない。おそらくキャンプ客が釣りきってしまったのだろう。



一つ目の滝は容易に超えられる。ここから次の滝まで二つほど淵があり、魚影を確認することもしばしばだ。しかしミノーには見向きもしない。キャンプ客に攻められてだいぶスレているのか警戒心が強い。ここを攻めるときは遠く離れて正確にキャストする技がいる。ちなみに僕はここで釣った経験がない。

次の滝を越えると山岳渓流らしくなる。中津川や早戸川とはコケの色まで違う。美しい緑色をしている。すべての自然に道路沿いとは違う元気がみなぎっている。おまけにクモの糸まで太くて強い。これがミノーやラインに絡むと、とても釣りづらい。ミノーの動きも悪くなるし、何度も取り除きながら釣るのがとても面倒だ。

膝の深さくらいの瀬にキャストして底石の上でミノーを踊らせた。ヤマメがすぐさま飛び出しミノーにアタックしてきた。バシャバシャ!こんな気持のよい新緑の川でロッドがしなると幸福この上ない。静かに取り込むと18センチの綺麗なヤマメであった。



帰路、2名のテンカラ師にあった。「どうですか?」「釣れましたよ1尾だけですが・・」「私たちはぜんぜんダメです」聞けばテンカラという釣法はポイントに近づく必要があり、魚に気づかれてしまうというのだ。「ルアーは遠くに投げられていいですね」

私自身、ポイントにグッと近づく「見釣りミノー師」である。そして私は、同じ様な山岳渓流で釣果を上げているテンカラ師を知っている。今度は彼と同行してみるつもりだ。唐沢の淵には、ミノーに見向きもしない魚影がたくさんある。彼なら10尾以上は釣ってくれるに違いない。

川から県道に出ると、ポロポロと足元に何かが落ちる。ヒルだ。唐沢は本当にヒルが多くてこまる。たっぷりと血を吸うとコロリとその場に落ちる。いつどこで襲ってくるか予想がつかない。これさえなければ100点満点の渓流なのだが・・・。