2004/05/15  早戸川でアユ針を使ってみた


ルアーフィッシングで一番残念な事、それはバラシ。特に魚影の薄い渓流では一度でもバラすと、その日はボーズかも知れないのだ。僕はミノーを自在に操りたいので硬めのロッドを好んで使うが、その分フッキングがあまい。ラインを柔らかいものに変えてから、多少は取り込めるようになったものの未だ満足できない。バイトと同時に合わせるほどの俊敏さを持ち合わせていない僕の残された道はフックの研究しかない。刺さりの良さと耐久性の両方を兼ね備えたアイテムはないものだろうか。今回はアユのコロガシ用鉤を使ってバーブレスフックを作ってみた。



早戸川上流、丹沢観光センターより数キロ手前に滝がある。そこから入渓するために身支度をしていると監視員が来た。「もう先に3人入ってるよ」彼は漁券に日付印を押しながら言った。「放流の状況はどうですか?」僕が聞くと、「最近は放流やってないから、魚は少ないよ」その言葉に、今日この川を選んでしまったことを後悔した。しかし、彼はこうも言った。「ゴールデンウィークは釣り客が少なかったなぁ、風が強くて天気が悪かったから」その言葉に多少は救われた。魚はまだ残っているかも知れない。



観光センター手前は大きな岩が点在し、それを巻くように水流が音を立てて走っている。ところどころ流れの緩い場所があり、そこにイワナが潜んでいる。うまくピンポイントに入ってくれれば、その瞬間にイワナが食いつくはずである。しかし、岩の上には、まだ乾いていない先行者の足跡が残っている。この場所はあまり期待できそうにない。手ごろな抜け道を見つけ、早々と林道に戻ってしまった。

車まで戻るとと監視員が話しかけてきた。「釣れた?」「釣れない」これはただの挨拶。彼の本音は違った。「乗せてくれない?」聞けば自分の車にキーを刺したままドアをロックしてしまい、途方にくれていると言う。放ってはおけないので工具がある場所まで乗せてあげた。途中「止めて、止めて!ちょっと待ってて。」
いきなり車を降りると、別の車に駆け寄って言った。「君たち漁券持ってる?」なんと商売熱心な男だろう。




午後からはずっと下流に下る。リヴァースポットのすぐ上、誰もいない。大きな溜りにキャストするとギラッと水面が光った。もう一度キャストすると黒い影がミノーを追っている。ロッドをやさしく煽るとグンと重くなった。水面で踊るそいつはなかなかの手応えだ。激しく首を振ってもフックが抜けることはない。バーブレスだからといってバレやすいということはなさそうだ。やさしく手にとると20センチ超のやせたヤマメだった。リリースも簡単、一瞬で外せる。これからはこのフックで決まりだと思った。この時点では・・・。


同じポイントに立ち、溜りの端に遠投する。緩やかな場所から流れのある場所を横切る途中、ギューンとロッドが絞り込まれた。「また来た!!」流れに逆らっていることもあり、かなり重い。やっと岸に上げると綺麗なイワナだった。しかしスレ。鮎鉤の長所と短所を一度に味わった一日だった。