2004/05/29  中津川、小沢用mini-taki-minnowの試作品に大型!でも証拠不十分


先日、Yellow氏と行った御殿場の小規模渓流S川。魚影は濃かったものの1尾も釣れることなく敗退した。僕が岩の陰から顔を出しただけでも魚が逃げる。暗い石の窪みに音もなくミノーが入っても、彼らはサッと散ってしまって大騒ぎしていた。また、2年前の夏、たりちん氏に案内してもらった川幅2メートルにも満たない沢。土俵となるポイントは数十センチしかない。ミノーを上流に向かって投げると、着水後すぐに流れに乗せられ泳ぎ出しが遅れる。すると小さなポイントなど、あっと言う間に通り過ぎてしまうのだった。

これらを総合して考えると、小沢用には魚を驚かせることがなく、泳ぎ出しがスムーズで、さらに狭いポイント内に長時間留まることのできるミノーがほしい。それらはもともとtaki-minnow に課せられた条件であった。そしてほぼ満足のいく状態まで完成し、丹沢の中規模渓流では一定の釣果を上げている。ならば川がそのまま縮小されたと発想してみてはどうだろう。taki-minnowもそのまま小さくなれば、小沢でも同じ釣法で釣れるのではないか。即席ではあるが、3センチのtaki-minnowを試作して中津川へ行ってみた。


早朝の中津川、周辺に釣り人の姿はない。3センチの試作ミノーは、バルサの切れ端にアルミ箔を貼っただけの簡易的なもの。魚を驚かせないようにできるだけ重量を軽くし、その分リップを大きめにして少し潜るようにしてある。ラインは2lb、飛びの良さと水の色に溶け込む加工が施されている。フックはアユ針を改造した自作物。この大きさには最後までまよったが6.5号を使うことに決めた。さっそく目の前の瀬にキャストしてみると意外に飛ぶ。背には赤いペイントがしてあるので、上手にスイムしている姿が偏光グラス越しによく見える。対岸に張り付いていたヤマメが追ってきた。ガツンという小さな当たりを感じたがフッキングまでには至らなかった。

原因はミノーが底を這ってしまったこと。それでは魚も食いつけないだろう。リップを半分切り落とすと、浅瀬でも底着きせずにスイムするようになった。ミノーはこれでよし、しかしラインがいただけない。2lbでは根ズレに弱く、何度も点検しないとすぐ切れる。そして青藤橋から最初の滝のところでテストは"最高かつ最悪"の結果を向かえる。


ゴーゴーと音を立てて激しくうねる滝壷。その右端に静かな溜りができている。直径1メートルほどのクリアなエリアには、大きな底岩がはっきりと確認できる。そこをスイムしている試作”mini-taki-minnow”の赤い背中がクネクネといい感じだ。次の瞬間、魚がどこから襲って来たのかまるで思い出せない。気が付くと大きな黒い物体と格闘していた。「重い!」ロッドを持っているのが精一杯だ。「すごいファイト」しかし2lbラインが心配で思い切った行動ができない。普段から根掛りをしても引っ張れば取れるほど太いラインを使い、ましてや18センチクラスを相手にしている僕は、ドラグ調整の必要性など感じていなかった。さらに僕の使っているカーディナルはファイトの最中にもドラグ調整ができる優れたリールなのだが、ダイヤルを右に回すのか左だったのかも完全に忘れていた。


大きな魚が水中でくねる姿を見ながら少しづつ後ずさりする。僕の身体がゴンゴンと揺さぶられる。「まるで僕が釣られているようだ」魚は岸まであと50センチ。「もうすぐだ」と思った瞬間・・・・もうお解りだろう。自分に呆れて声も出ない。未練を断ち切れずにしばらくその場を離れることができなかった。あのファイトはおそらくニジマス。夕べ最後までまよって選択した6.5号のフックは、あの魚には小さ過ぎたようだ。今日はもともと、試作ミノーが泳ぐかどうかのテストに来ただけで、釣れるかどうかを試すつもりはなかった。しかし、今回の釣行記に試作ミノーを口にした尺越えの写真があったら、当サイト史上最高のページを飾れたに違いない。

中津川支流「金山沢」、
いつかこのような小沢を釣りあがってみたい

気を取り直し、普段のタックルに変更して中津川を釣り上がった。5センチtaki-minnow のキビキビとした動き、そして頼れるライン。落ち込みからレギュラーサイズのヤマメを引き出した。実にあっけなく・・・。

川から上がると真夏のような日差し。湿った熱い風は入梅の近さを知らせている。「チャンスはまだあるだろう」”チビtaki-minnow” は来月にもデビューさせるつもりでいる。