2004/06/12  布川でイワナの滝登りを見た


イワナという魚はどこか気持が悪い。例えばヤマメを釣って岸に上げるとピチピチとはねる。その姿はアジやイワシ等、海に住む魚も同様である。しかしイワナの場合はちょっと違う。ニョロニョロと魚体をくねらせ、水辺に向かって石の上を這うように進む。その姿を見ると「彼らの祖先はヘビではないのか」と思うのである。


梅雨の中休み。雲の切れ間から暑い日ざしがこぼれてくる。水温、水量ともに申し分ないので、今日は魚もよく動くだろう。朝7時に金沢キャンプ場上流に到着。右へ行くと塩水方面、左へ行くと布川と出会う。右には餌釣り師が粘っているので左へ。そのまま布川上流まで釣り上がることに決めた。

しばらく行くと大きな堰堤に出る。数年前まではたっぷりと水を貯め、その中を40センチを超えるニジマスが悠々と泳いでいたものである。しかし今では全体に土砂が溜まり、歩いて渡れるようになってしまった。


その先にも堰堤がある。リトリーブの最中にブルブルっときた。合わせを入れると良型の白い影がくねっている。しかし突然軽くなりラインブレイク。せっかくの獲物は、堰の奥深くへ逃げ去ってしまった。ミノーをくわえたままなので、大変申し訳ない気持だ。バーブレスフックがすぐに外れてくれるといいのだが・・・。また、僕の自作フックはスチール製の極細なので、すぐに錆びて消えてしまうことを願っている。

同じ場所でガツンときた。20センチ程度の魚体だが、今までに経験したことのない衝撃的な魚信だった。しかし取り込みの途中でこれもバレてしまった。今日の魚はものすごく元気だ。


堰の下はあきらめてその上によじ登り、上流に向かってキャストする。後ろは滝なので転落しないように注意が必要だ。何度かキャストを続けていると、足元に殺気を感じた。「蛇か?」「蛇が僕を襲ってくるのか」しかしそれはイワナだった。イワナが滝を平然と登ってくる。その表情までハッキリと見えた。鮭や鯉が勢いよく滝を登る様子はテレビ等で見たことがある。しかし、それとは全然違う。勢いよく落ちる水しぶきの中をニョロニョロと体をくねらせて登ってくる。生物学者が否定しても僕の考えに間違いはない、彼らの祖先は絶対にヘビである。

イワナはこの滝を登ってきた

大洞キャンプ場跡でも、イワナが何度かアタックしてきた。水深3センチくらいのところまで勢いよく追いかけてくる。「面白い!」丹沢でこんなに面白い釣りができる日はめったにない。まだ、1尾も釣れていないのに楽しくてしょうがない。

上流に釣り師の姿を確認した。彼を追い越さないようにペースを合わせて釣りをする。さっきまで彼が粘っていた淵でイワナを2尾上げた。写真を撮っていると「釣れましたね」と声をかけてきた。餌釣りには反応がよくないらしい。


その後も彼に続いて釣りをする。今日のイワナは深い場所よりも、水の動かない浅い場所にいる。そこにキャストして水深10センチ前後の瀬をゆっくり引いてくると、ミノーにつられて追いかけてくる。ロッドを軽く上下させるとたまらず食ってくる。そのパターンを掴んでからは何尾も掛けた。ただ、10尾掛けたとしても、そのうちの4尾しか取り込めなかった。あとは全部バラシである。ミノーの動きは悪くないので、技術は元よりタックル全体を見直す必要があるかも知れない。僕の100パーセント取り込むための飽くなき挑戦は今後も続くのである。

このような場所で何尾もヒット