2005/03/26 小沢で小ヤマメと遊ぶ Part 1 唐沢川釣行
短いロッドを手に入れた。これを使えば障害物など気にせずにキャストできる。
小さな沢ではさぞかし使いやすいに違いない。
そう考えたら居ても立ってもいられなくなった。
明け方近くに起き出して、一路唐沢川を目指したのである。



中津川との合流点に釣り人がいた。僕のことをじっと見ている。
無言の彼の目は「先に行くのかよー、遠慮しろよなぁー」と叫んでいる。
こんな小さな川で、先に歩かれてしまっては釣れる望みは少ない。

でも、申し訳ないが今日はどうしても唐沢じゃなきゃダメなんだ。そそくさと彼を追い越して100メートルほど上流の滝の上からキャストした。
短いロッドは取り回しが楽だ。目の前の岩の陰にアンダーキャストで落とし込む。こんなことも、ロッドがほんの少し短くなるだけで非常にやりやすくなるものだ。
Taki-minnow はすぐさま泳ぎ出し、短い距離ながら魅力的にアピールした。

二つ目の滝の辺りで、ミノーが飛ばなくなった。よく見るとガイドが凍り付いている。明け方の気温は海老名市でも氷点下、ましてやこんな山の中の川淵である。
ついに手が凍るように冷たく、感覚もなくなってきた。

唐沢川 水はとてもクリアだ

滝の上から流れが左にカーブしている。その突き当たりに小さな溜まりがある。
対岸に向かってアンダーキャスト、ふわっと浮き上がったミノーが音を立てずに着水した。
ツンツンとロッドの先でミノーを刺激し小躍りさせる。
魚にアピールするためだ。
その後、ヒラヒラと泳がせると底石の中から突進してきたものがある。
岸辺に近寄ると18センチのヤマメだった。

グングンと断続的な魚信は感じるものの、以前のロッドよりも鈍い。しかし安心感はある。
以前は魚が暴れると、ロッドを通じてそのまま手に伝わってきた。魚が興奮すればするほどこちらの興奮度も高まったものである。
そのかわり安定感がなく、バラシも多かった。


もっと上流に釣り上がりたかったが、後から来る釣り師に気をつかって戻ることにした。
自分さえよければいいというものじゃないだろう。
彼だって唐沢を楽しみにして明け方の家を出たに違いない。
途中、彼とはすれ違ったが言葉を交わさなかった。
お互い、メガネの中の細い目で確認し合っただけである。