2005/09/15  早戸川、パワーヤマメを取り逃がす
「がっ!」
僕の悲痛な叫びは早戸川の濁流にかき消されてしまう。
キャストした場所は洗濯機の中のような渦の巻くポイント。
そこからtaki_minoow を追いかけてきたのは25センチにも満たないヤマメだった。


そいつはミノーにガツンと噛みつき、タックル全体をはじいて逃げて行ってしまった。
手に残るしびれは久しぶりの感覚だ。
最近の僕は魚が釣れても歓喜の雄叫びをあげることがない。
それは小さな川や温和な川で、優しい魚たちを相手に釣りをしているからだと今日気づいた。
同じサイズの魚でも、うねるような流れにすむヤツは筋肉の鍛え方が違う。
獲物をくわえるだけでなく、引きちぎるようにひったくる荒々しさ。
僕がベイトフィッシュだったら、あんな魚に食われるのは恐怖である。


さらなる快感を求めて釣り上がる。
落石がひどく、林道は車両通行禁止だ。
普段は釣り人でにぎわう早戸川だが、車が入れない今は閑散としている。
先行者らしき足跡も見当たらない。
やがて落ち込みのある中規模なプールを見つけてミノーを流す。
沈み石の上を通過した所でゴン!とロッドが引かれる。
水面を激しく暴れながら僕の足元にやって来たのは15センチの小さなヤマメだった。
 


昼過ぎ、残念なことに雨が降り出した。
落石の危険もあることから、名残惜しいが渓をあとにする。
道々、右手のしびれを思い出すたびに、悔しくもうれしい複雑な気持ちがよみがるのだった。