2006/07/15  釣りは楽しまなきゃ
鮮緑の山中を縫うように流れる本谷川、その荒瀬には無数のポイントが転がっている。
対岸の小さな落ち込みに向って、ミノーを送り込むとブルブルブル!
ひったくるような波動が、ロッドグリップを通して心地よく伝わる。
魚はジャンプして逃げてゆく。
さほど悔しくはない。
キャスティングがうまく決まり、魚がミノーにじゃれてくれただけでいい。
ゴゴゴーンという魚信はなんとも言えない快感だ。
おまけにジャンプまで見せてくれて、今日は十分満足である。



魚は決して多くなく、気配すら感じずに越える堰堤がいくつもあった。
しかし、時々現れる魚影は、必ずミノーをチェイスしてくれる。
「魚との対話」なんて考えたこともなかったが、このことだったのか。
もともと僕は、「魚を取って食う」主義だ。
テントを張り、夕食のおかずを調達するために渓流ルアーを始めた。
やがて釣ること自体が楽しくなり、固体数が少ないとつまらないからリリースしている。
それだけのことだ。
そんな僕が今日、魚と触れ合うだけで満足してしまっている。
どうしたのか、相次ぐバラシであきらめの境地にでも入ったか・・・。




音を立てて激しく流れる川、すぐ脇には溜まりができている。
その際にキャストしてからゆっくりと泳がせる。
岩の隙間から黒い影がヌーっと現れ、僕のミノーにかすかに触れた。
コツリという魚信を感じただけでそのまま回収。
「まだいる、絶対いる」




下手なキャスティングが幸いして、投げる度にバラバラな場所に着水してくれる。
ふわぁ〜っと浮いたミノーがポトリと落ちた。
そのままロッドディップを10センチ浮かせると遠くのミノーが10センチ泳ぐ。
ラインスラッグを取った後、再度10センチゆっくりと浮かせる。
するとtaki_minnowがゆっくりと10センチ・・・・泳ごうとしたその瞬間に黒い影がガツン!
もう最高に面白い!
小さいヤマメだが十分に楽しめる。
思わず空に向って両腕をかかげて吠えた。
天はそれにこたえるように雷鳴を響かせる。
ドーン!ゴロゴロ!バリバリバリッ!
その音を聞いた瞬間から僕の様子は急変、背中をまるめてとっとと渓を離れた。
けっこう小心者。
車に戻るとザーッと降り出す雨、「今日は本当に楽しかった!」