2007/03/28  渓流はまだ枯葉色


塩水川の全長は約2.2Kmである。
そんな短い川を3時間かけても半分の距離しか進んでいない。
小さな落ち込み、岩の隙間、そして深瀬などを丁寧に探るには時間がかかる。
キャスティング技術もさることながら、「根気」も釣り人に求められる大切な要素のひとつだろう。



木々の枯葉が、柔らかな風を受けてカサカサゆれる。
それが渓の流水音と混ざり合ってさらに心地よく聞こえた。
餌を求めて林道に降りてきた小鹿、ピーと鳴く仲間の声に耳をピクピクさせている。
春の陽気に誘われて動物も、魚も、そして釣り人も動き始める。
そんな季節がやっと来たのだ。

小さな落ち込みに向ってキャスト。
良型のイワナが白泡の下から追って来た。
と、そこまでは良かったのだが・・・。
なんと、ミノーが小石に挟まりスタックしてしまったのである。
尾で舵をとりつつミノーの真上を浮遊する魚影。
あわてて、何度も何度もロッドを煽ったが外れてくれない。
イワナは、突然止まった妙な物体を改めて確認するとそのまま岩の下へ隠れてしまった。




この川はいくつもの堰堤で区切られており、その下には好ポイントとなるプールが広がっている。
できるだけ長い距離を引けるようなスタンスを取り、ゆっくりと巻いてくる。
taki_minnowのリップが小石に接触し、水底を引きずるようになってもスローリトリーブをやめない。
目の前を黒い影が走り、突然ミノーにアタックしてきた。
グッと合わせると重い、「でかいのか?」
さらにロッドを引くと水中から魚が飛び出した。
18センチの小ぶりなイワナ、オレンヂ色の斑点がとても綺麗である。
(この様子は動画で公開しているので、トップページのリンクから入り見ていただきたい)




時計の針は5時をさしている。
まだ明るいが日没まで釣れるだけ釣ってやろうという気にはなれない。
川を見下ろしつつ林道を下る。
渓流はまだ枯葉色、桜が咲くのはもう少し先のようだ。