2007/04/14  魚にやさしく・・
中津川とK沢川が出会う場所、僕はこの周辺の渓相がとても好きだ。
大小様々な岩が転がり、透明でたっぷりとした水がいくつもの垂水を作りながら流れて行く。
理想とする小渓流の形が完璧な状態に保たれていて、心地よさについ長居をしてしまう場所である。

すぐ上流にある堰堤には大きな魚道が設けられていて、水流が勢いよくすべり降りている。
その先の溜りにミノーを落とすと小さなヤマメが釣れた。
この川特有のサビは見られず、真っ白な魚体に薄いブルーのパーマークが並んでいる。
掌にそっと乗せるとフックを弾き飛ばし、フルスピードで水底に帰ってしまった。

二つ目の堰堤前で18cmほどのヤマメが釣れ、小石の上にそっと寝かせて写真に収める。
上手く撮れたのはこの一枚きりだ。
水中にいるうちにシャッターを押そうと構えるのだが、ことごとく逃げられてしまう。




魚は豊富にいる、しかし型は小さい。
ミノーをリトリーブすると数尾がのんびり追ってくる。
彼らには縄張りを主張したり、獲って食おうという意識はない。
まるでミノーを友達とでも思っているかのようだ。

まれに現れる血気盛んな魚をポツポツと釣りながら上流へ向う。
10メートルほど前方の溜りにキャスト、すぐにロッドを煽ると派手なカラーがクネクネと進む。
一瞬、岩陰から飛び出してすぐに引き返したヤツがいた。
もう一度同じ場所にキャストして、今度はその場に留まらせてシェイクする。
ブルブル!
再び魚が飛び出し、勢いよく食ってきた。
ゆっくりと足元に寄せ、急いでポケットの中を探りカメラを取り出す。
しかし宙吊りにされたままの魚は水面をたたいて勢いよく逃げてしまった。


バーブレスフックに変更したら魚と触れ合う時間が束の間になり、僕にはつまらなくなった。
元気なうちに短時間でリリースできれば魚にもやさしい。
それはわかっている。
僕は苦労して釣り上げた後は、魚がフラフラになりもうやめてくれと言うまで頬摺りしたくなる。
水中にいる彼らをしばらく見ていたいし記録したい。
今、ランディングネットとは別のハンドメイドアイテムを考えているところだ。


今日の釣果は小さなヤマメが数尾、そろそろ良型も積極的にルアーを追い回す季節になる。
周辺の景色を眺めながら林道を歩く。
山桜の花びらがヒラヒラと舞っている。
木々の枝からは小さな芽が吹き始め、丹沢全体を鮮やかな緑色に染める日も近いだろう。