2007/04/21  Mog_Minnow 登場

早朝の本谷川、
「今日こそ大物を・・」 僕は釣る気まんまんだ。
かつて、この川の下流で40センチ級のイワナが2尾、taki_minnow を追いかけてきたことがある。
迷わずその場所を目指すがダメ、すでに先客がルアーをキャストしていた。

上流へ回り込み、先行者の濡れた足跡をなぞりつつ川原を行く。
でもさっぱり釣れない。
大小にかかわらず魚影はゼロだ。
激流の中でミノーが根掛り外れなくなった。
決死の覚悟で流心に立ち込み、川の水に手を浸して驚いた。
凍りつくように冷たいのだ。
おそらくは魚が動き出す温度には10度以上も足りないだろう。
出会った餌師のビクを覗いて決断した。
「この川はあきらめよう」


解禁の日にノーフィッシュだった布川へ向う。
しかし、ひたすらキャスティングを繰り返すが反応はない。
ここまで魚の尾鰭すら拝めていないのだ。
性格が屈折してゆく。
「俺は下手なんだ。不幸な星の下に生まれたんだ・・・・」

気分転換にミノーを替えた。
Mog_Minnowは落ち葉のような形をしている。
フックは数年前に自信を持って作った極細ダブルフックだ。
下流に向って投げると遠くへ飛んでいった。
このミノー、軽いのに意外と飛ぶ。




竿先を少し震わせながら巻いてくる。
流れに逆らって泳ぐミノーはアピール度抜群だ。
すぐにググッときた!
久しぶりの魚信に涙が出る。
しかし優雅にランディングプロセスを味わっている余裕はない。
魚を早く手にしたくて、ハンドルをフルスピードで回転させた。

甘くないのが渓の世界。
プチッ!
フックが外れる感覚がロッドを通してよくわかる。
次の瞬間、魚とミノーが別々に舞っているのが見えた。
「あぁ!」
天を仰ぐ。

大洞キャンプ場跡地で女性ハイカーが焚き火をしていた。
しかし今日の僕は性格が屈折しているので挨拶はなしだ。
細い横目でチロッと眺めつつ通り過ぎる。
けっこう美人だ・・。
渓が湾曲を描いた辺りで彼女たちは見えなくなった。
聞こえてくるのは川と風の音だけだ。
より刺さりの良いバーブレスフックに交換、深い瀬の対岸にキャスト!
魚がMog_Minnowを追ってくる。
しかし足元まで引いても食ってはくれなかった。
もう一度同じ場所にキャスト、ミノーが魚の鼻っ面に来たときに動きを止めてみた。
体高のあるMog_Minnowはヒラヒラと水中に漂よう。
その瞬間に食ってきた、しかも狂ったように・・・。
ブルブルブル!
「イワナの振動は、これほど強い衝撃だったか・・・?」
久しぶりに20センチ超の魚信を体感し、その重さに改めて驚いた。
僕はもう二度とこの世界からは抜け出せないだろう。
釣りはいい・・。
美人ハイカーよりもいい・・・。