2009/03/17  皆で楽しむ

下流から上流までの全工程を自分ばかりが先行するのは良くない。
同行者と釣り歩く場合、ある程度のルール決めが必要だ。
たとえば複数束になって移動しながら、交互にキャストするというのはどうだろう。
友人のヒットシーンを生で見ることができるし、熊が現れても皆で戦える。
何よりも談笑しながら釣ることができて友情も深まるのではないか。

僕が仲間と釣り歩く場合、一定の距離を保ちながら進む。
そうすればソロのような気分も味えるし寂しさを感じることもない。
やがて先行している者に釣果があれば、次に続く者と入れ替わるシステムだ。
できれば先行者には、いくつかポイントをスキップしながら遡行する余裕がほしい。
後続者へヒットのチャンスを残しつつ進むのもまた友情の証と言えるだろう。



有名河川、道志川。
ここの放流量は半端ではない。
今年も解禁となり、たくさんの魚と出会えるはずだ。
引込み思案な山奥の娘を、知恵を絞って誘い出すのは容易なことではない。
たまには里に住む、乗りの良いお嬢様と気軽に遊ぼうというのが今回の趣旨である。




最初にTABO氏と琉空氏が選んだフィールドは、釣りが許可されている支流だった。
ここは昨年、魚影を確認しながらもノーフィッシュに終わった場所。
あの時も琉空氏が一緒だった。
今日の彼は全身から釣るぞオーラを発している。
聞けば今シーズン初釣行とのこと。
そわそわとして、まるでトゥイッチにかかったように落ち着かない。
彼は川に入りたくて仕方が無いのだ。



彼らに激励の言葉を残し、masuturi氏のいる本流へ向かう。
しばらく二人で交互に釣り上がる。
ポツリポツリと釣れる程度、数釣りができると聞いて来たのに話が違う。
それでも、「釣れました!次はtakiさんが先行して下さい」
masuturi氏は厳しい中でもコンスタントに釣果を上げてゆく。
「えっ、もう?」
長い時間かかって僕がようやっとヤマメを釣る。
そこで交代し、彼が先行する。
するとすぐ釣れる。
次に僕が先行し、長い時間かかってやっと釣る。
というように僕がいつも先行ばかりしている。
申し訳ない気持ちで振り返ると、彼は良型ヤマメを掲げていた。
どうやらmasuturi氏にとって、後続というプレッシャーは無いのかも知れない。



TABO氏、琉空氏と合流し定食屋に入る。
ウェーダーを履いたまま、4人で焼肉定食を食いコーヒーを飲む。
ホッとする瞬間だが妙でもある。
何しろヒルもいなけりゃ熊の恐怖もない、さらに温かい肉と飲み物付だ。
普段のようなピンと張り詰めた気持ちはなく実に快適であった。
ゆっくりと時間の流れる、こんな釣りも悪くはない。


休憩を終えた後、夕暮れになるまでキャストし続けたが釣果は伸びなかった。
「渋いね」と4尾釣った僕が言い、10尾釣ったmasuturi氏がうなずく。
期待感を込めて大合せを入れ、上がって来た小ヤマメに腹を抱えて笑うTABO氏。
「良型のヤマメが1尾釣れました!」と言い残して仕事に向かった満面笑顔の琉空氏。
誰が今日のチャンピオンかを決めることはできない。
正に今日は、「平等に釣る」を実践した日と言える。