若い一尾に救われた、でも。。

初心者からベテランのお爺ちゃんまでが「わ~っ」と押し寄せる超お気軽有名スポット、
その駐車スペースに来てみたら車が一台もない!
やった!
大急ぎで支度する。
ウェーダーを履き終えラインを結んでいると軽自動車がやってきた。
30代男性、手際よく車内から4リットルボトルを取り出し足元に置く。
中には黒い液体が入っている、おそらく竹酢液だ。
これはヒル対策に使われるものだがウェーダーを履く僕らには無意味なもの、彼はおそらくハイカーだろう。

その後すぐにカックイイ車も来た。
降りてきたのはやはり30代男性、降りてすぐに用をたしてんの 笑。。
八王子ナンバーかぁ、遠くから来たのにちょっと可哀そうだな、一匹釣れたら先行させてあげよう。

先日までアブラゼミがわーわー鳴いていた渓も今では静まりかえっている。
ただただ水の音に包まれ気持ちいい~

P9308511_R.JPG

ところが長い時間釣り上がるも水中からはウンともスンとも聞こえてこない。
まったく魚の気配がないのだ。
入渓時のわくわく感はやがて不安感となりネガティブな言葉を繰り返すようになる。
当然キャストやリトリーブはいい加減で他の事を考えながら巻いたりする。

「あっ!!来た来た、追ってきた!!」

尺近い黒影がす~っと寄ってきて taki_minnow を今まさに咥えようとしてる!
ダレきった体に緊張の稲妻が走る。
「食え、食え、」
ところが「あれっ、あらっ、、」ミノーが石の間に挟まって動かなくなっちゃった!
急にストップした獲物を「なんだぁ?」という感じで見ている渓流魚(イワナかヤマメかわかんなかった)。
そのままフラッと戻ってしまった。

P9308519_R.JPG

川原で昼食をとっているとハイカーが数人通りすぎる。
頂上を制した、その満足気な顔に嫉妬する。
「俺も満足したい」

ゆったりとした流れにルアーを投げる。
音もなく水面に吸い込まれ、悩ましく腰を振る僕の相棒。
その妖艶さにたまらず食いついた若いヤマメが本日ただ一匹の釣果だった。

P9308496_R.JPG

フックを咥えたまま物凄い勢いで暴れるのでケガをさせてしまった。
写真を撮り終え、川に戻すとハイスピードで逃げて行ったので大丈夫かな。

流れに立ちつつ見上げると若いハイカーが二人、林道を全力で走っている。
しかしやがて立ち止まり今度はそろって踊りだした。
高校生かな新しいスタイルの登山なんだな。
しばらくしてそれは間違いと知る。
たぶんヒルだ。
ヤマビルの茂みから走って逃げ、林道に出たところで体中に付いた吸血悪魔を取り払っていたのだ。
それが踊るように見えたのだろう。

僕も同じようにトレイルロードを歩いて戻る。
10歩進んではヒルを払い、川に入ってしばらく休んではまた進む。
以前は対策に積極的に取り組んでいたが、最近はもう諦めてしまった。
しかたない、これが東丹沢だ。
歳かね、ははは。。